‘現代アート概論 – Contemporary Art Practices’

担当講師: 馬場 淳 / ACCI BABA (Visual Artist, Guest Prof. KEIO SFC)
開講時期:2021年度(春)前半過程
授業日程: 毎週金曜日5限&6限(1/4 圧縮日程・日本時間)
講義会場: 慶應義塾大学SFC・オンライン(Zoom 及び YouTube Live)

 

講義概要:

ヒトはアートと共に始まった。私たちの知覚対象に、区分をつくり、想いを抱き、名付けたとき、それは生まれた。コトバ、文字、星座、子供の命名、洞窟の壁画。ヒトの知的・情的活動の原点に、アートはあり、私たちが認識する世界が存在する。

本講義は広義なアートの解釈に触れ、「知のインプット」と「感情のアウトプット」を通じて、「アートとは何か」を体得していただく。授業は1)講義 – Lecture 2)対話 – Discussion 3)訓練 – Training の三部構成を基本とし、現代アートに対する理解を深めながら、インタラクションを通じてクリエイティビティを撹拌する。講義では形而上学、言語学、記号学、心理学、等の人間的諸事象を取り上げ、「思考作用による意味づけ = 概念」と「 情感を外に出す行為 = 表現」の関係性を考察していく。講義後、対話の時間を通じてコミュニケーションに慣れ親しんでもらい、即興的な発想力を身に付ける練習として、講義内容に関連した設問を出題し、授業内に発表していく。

私は実践こそ、アートを学ぶ最も早い方法であると考える。従って、最終課題は作品制作とする。作品のスタイル・メディア・技法は一切問わないが、コンセプト文は必須とする。表現者視点でアートに向きあうことで、各々が抱くアート観を見出してもらい、自己を発信する術を身につけることを目指す。 本講義で得られるアート思考を通じて、これからの時代をアクティブに生き抜くヒントにしていただきたい。

 

予定内容: 

① 講義:はじまり    – 【計:2コマ】

・イントロダクションとして、授業の流れと最終課題の詳細を説明する。文脈、考え方、鍵となる人物像に触れながら、現代アートの基礎的な理解を深める。 キーワード:ダダイズム、デュシャン、創造的行為、時代

・Q&A(ディスカッション) + 訓練(トレーニング)

 

② 講義:コトバ        – 【計:2コマ】

・アートとコトバの関係性の学びを深める。 キーワード:アートの言語学的解釈、空海、井筒俊彦、深層言語

・Q&A(ディスカッション) + 訓練(トレーニング)

 

③ 講義:ココロ        – 【計:2コマ】

・アートとココロの関係性の学びを深める。 キーワード:深層心理、C.G. ユング、幻視芸術 、アクティブイマジネーション

・Q&A(ディスカッション) + 訓練(トレーニング)

 

④ 講義:カラダ        – 【計:2コマ】

・アートと身体の関係性の学びを深める。必要に応じてゲストスピーカーによる講演あり。 キーワード:パフォーミングアート、無意識、世阿弥 、M. チクセントミハイ、フロー体験

・Q&A(ディスカッション) + 訓練(トレーニング)

 

⑤ 講義:マテマ        – 【計:2コマ】

・アートとマテマ(数学)の関係性の学びを深める。数の世界から見る、美しさとは。必要に応じてゲストスピーカーによる講演あり。 キーワード:定理、カオス、幾何学、美の法則

・Q&A(ディスカッション) + 訓練(トレーニング)

 

⑥ 講義:メソッド    – 【計:2コマ】

・創作工程の展開方法やコンセプトを産み出すための具体策、アクティブに生きる方法を学ぶ。 私のSFC在学中(大学二年当時)の作品紹介。キーワード:コンセプト化、パターンランゲージ、グレートデザイン

・Q&A(ディスカッション) + 訓練(トレーニング)

 

⑦ 講義:○△□        – 【計:1コマ】

・宇宙とは何か?人間とは何か?なぜ私たちはアートを作るのか?本講座の最終講義として「人間とアート」についての理解を深め、不透明な時代におけるアートの本質的な意味を探る。キーワード #宇宙, #ガイア, #ホモサピエンス, #内的宇宙, #命の意味, #役割, #グレートデザイン, #概念, #時代精神, #エッセンシャル

・Q&A(ディスカッション)

 

⑧ 補講:作品プレゼン    – 【計:1コマ or 2コマ】

・一人5分の持ち時間で、自分が作ったもの(作る物)を発表。そのあと、5分程度の質疑応答。プレゼンは任意とし、7月の週末に補講を設ける予定。仮日程として2021年7/3日2限・3限を考えている。英語・日本語、両方可能。

 

PATREON
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